前編に続いて、後編です
雨漏り調査の結果、漏れの原因と思われる箇所が浮かび上がって来ました。
雨漏りあるある・・・な箇所もあれば、
え?ソコですか!?・・・な箇所も。
ひとつひとつお話していきましょう
この侵入経路はここ
直ぐ上にあるルーフバルコニー内部にある、この水切り部分
本来は水が切れるように作られている水切り。
何故か勾配が建物内部に向かっており、
皮肉なことに雨水の浸入経路になってしまっていました。
原因は、水切り周辺、被りの浅い笠木、そして、サイディングの目地からの浸入
「ちょっと怪しい気もするので、工事期間中に瓦、捲ってもらえますか?」
そう指示を受け、捲ってみると、防水シートの被りが浅い。
おそらく、ここも原因のひとつ。
直ぐ下の、塗膜の捲れた部分から水がチョロチョロ出てきました
おそらく水切りから建物内部に入った水が、
サイディングの目地から外へ出ようとして塗膜内部に浸入したものと思われます
4)もう1件の雨漏り調査をしたお宅からはこのような原因が見つかりました。
雨漏りの原因は、
トップライト周囲の水切りとサイディングとの取り合い部分
勾配の急な屋根。
雨が降ると雨水(水色矢印)が急激に水切り部分に押し寄せ(白色矢印部分)、
オーバーフローした結果の雨漏りでした
このような結果を受けて、塗装工事と並行して対策工事も行います。
◎直張りサイディングの目地部分をシーリング(水色矢印)
特に日照が厳しく条件的に傷みやすい西面や、
屋根から突き出たトッライト側壁部分は念入りに
◎被りの浅かった大屋根笠木はガルバ鋼板で工事
まず①の鋼板で屋根の被りを確保
このままでは①の鋼板と壁の間から雨水が浸入してしまうので
②の鋼板を
それでも青い矢印の経路から雨水が浸入してしまいます
実はこの③の鋼板だけでは不十分。
上から見るとシーリングで保護されているものの
ビスがてっぺんに打たれています。
てっぺんにプツプツ突起が出ているのがビスです
実はここに工夫が
てっぺんにビスが打たれていると
そのビスから雨漏りすることも・・・。
なので、てっぺんにビスが出ないように貼っています
すると・・・・・
まだ雨漏りしていた・・・んです
足場を一部残して解体。
何故?徹底的に壁を捲って調査させて頂きました
やっぱり怪しいのはココ
水切りの部分です
ここも穴をあけさせてもらい調査
水がどのような経路で建物内に浸入するか観察
結果、水切りが水を切るという、
本来の役割を果たしていないため、
切れていない水が建物内部にそのまま浸入していることが判明。
なので、今回は水の抜け道確保のための金具を取り付け
再度散水検査をし、しばらく様子を見てからの
工事完了となりました。
お客様、長らくありがとうございました。
雨漏り調査、その後にも1軒依頼を受けました。
私達が関わるまでに何社か工務店を経て、防水工事や塗装工事を施工。
それでも止まらず弊社に問い合わせを頂いたのです。
さて、原因は何だったと思いますか?
それは、
バドミントンの羽根
色々あります。
雨漏り、奥が深い・・深すぎます。
メカニズムが分かってきて、興味深く思うときもあれば
何も知らなかった方が良かったような・・・
分かるからこその怖さというのも感じています。
以上、雨漏り調査を含めた塗装工事のご報告でした。
ながらくお付き合いくださいまして、ありがとうございました。