2020.07.11
前回は、思いがけずお話したいことができてしまい
番外編として施工までの3年半にわたる
K様邸の住まいの変化を見ていただきました。
さて、今回は本編です。
足場仮設‥…の前に
建物自体は3年半でさほど劣化は進まなかったのですが
付帯する木製ベランダの劣化が進んでいました。
今や多くのお宅で木製のパーツを見かけます。
ウッドデッキ、目隠しルーバー、ラティスにフェンス・・・
ところが・・・・・・
木製のパーツはお手入れが大変なんです。
ほとんどの方が、その大変さをご存じないまま
デザインとして採り入れておられます。
ですので
年数を経た住宅で腐りはてたウッドデッキや
目隠しルーバーを多く見かけます。
そして、どなたも口をそろえて
「もう要りませんから撤去してください」
「そんな手入れが必要なんて知らなかった」
そう仰られます。
「鉄の木」・・・とも呼ばれるウリン材など、
水に強い木材での施工をご提案することもありますが価格は高め。
耐久性は抜群なんですが・・・。
どうあれ、放置しておくとシロアリの温床にもなるので、
塗装と同時に撤去をお勧めしています。
今回も木製のベランダ部分のみ撤去することに
①ベランダ撤去
②足場仮設
③高圧洗浄
④シーリング工事
※長くなるので既存撤去、プライマーは割愛します
目地や
⑤屋根塗装
タスペーサー差し込みの様子
⑥ベランダ撤去部分ブリキ巻き
木材が剥き出しになってしまうのでブリキで巻きます
錆止めを塗っています
⑦外壁塗装
2)中塗り・・・の前に!!!
塗料に関してKさまがこだわられた部分が2つあります
ひとつは、
湿気が多いので塗料を防カビ型にしてほしい!
というわけで、メーカーに依頼して塗料は強力防カビ型に
もうひとつは色
ある日、K様から
「外壁の色、パントンの色見本で
作ることは可能?」
ん?パントン???
K様と一緒にパソコンに向かい、パントンの色見本から
K様お気に入りの色を検索。
ただ、プリンターで出力すると、どうも色が違う・・・
困っていると
「僕が色番のサンプルを取り寄せます」とK様。
取り寄せてくださった色見本からメーカー発注をかけ
いくつかのパターンで見本を作ってもらいました。
※別途調色料金が発生します
素敵でしょう?
この色、国産の汎用メーカーの見本には
有るようで・・・無いんです。
ところで 「パントン」 案外皆さんの身近にあるんです。
ヴェルナー・パントンさん、ミッドセンチュリーを代表するデザイナーです。
この椅子、見かけたことありませんか?
家具のイメージが強かったため
色までプロデュースされていたなんて・・・知らなかった。
デザイン関連のお仕事をなさっているKさま。
道理で・・・パントンカラーなんて初めて聞きましたもの。
ちなみに色板の取り寄せもK様独自のルート。
事の真相は最終日に知りました。
K様、英語がご堪能だったのです。
ようやく
工事完了 です
素敵なので南面もご紹介
施工前
※撤去せず残っているウッドデッキはK様ご自身で補修なさるそうです
色見本でK様に確認したとはいえ、やはり、
イメージと違っていたらどうしよう・・・
不安は拭えませんでした。
足場を解体し、全景が見えた時、ホッとしたのを憶えています。
K様、3年半越しの塗装工事、憶えていてくださってありがとうございました。
色のことも大変勉強になりました。
色見本帳が欲しい!ですが、金額を見て撃沈した次第です。
2020.07.04
2016年5月に初めてお問い合わせをいただきました。
現況を見せていただき、
「今すぐ塗装が必要な状況ではないけれど、ぼちぼち・・・」とお話し。
その後、一度事務所へお越しになり
「壁は真っ白に、サッシを濃いブラウンにして引き締めたい」との
ご希望をお話しくださいました。
弊社の施工例をいくつか見ていただき、
具体的には契約後に煮詰めていきましょう・・・というところで
お話が途切れてしまっていたのです。
「きっとお仕事が忙しいんだな・・」
頭の片隅にK様のことは記憶しつつも日が過ぎ、
再度K様からご連絡をいただいたのは
2019年12月のことでした。
やはり、お仕事が忙しかったとのこと、
憶えていてくださってありがとうございます。
この間、3年半。
塗装の時期について、よくお客様から相談を受けます。
「すぐに塗装しないと大変なことになるよ」と急かされ
返事を迫られ、困り果てて連絡してこられる方も。
状況を見せていただくと差し迫った状況ではない方がほとんど。
状況を説明し、
しばらく状況をご覧になられては?とお話しすると
多くのお客様が
「状況を見ている間に、
急激に劣化が進まない?」
実は数日前も、そのようなご質問を受けました。
実際どうでしょうか?
K様と交渉が途絶えていた3年半の間にどのような変化があったでしょう?
2016年5月の写真と、2019年12月の写真です。
比較してみましょう。
1)全体外観
2)屋根
3)シーリング
5)壁面コケ(藻)
本当はK様邸の施工事例をUP予定だったのですが
数日前にお会いしたご夫婦とのお話の中で、
ふと思い立ち急遽テーマを変更することに。
施工までの3年半の住まいの変化を実際に
見ていただくことにしました。
何かしら不具合がない限り
お客様が塗装工事の必要性を認識されるキッカケは
・他業者さんからの声掛け
・メーカーの定期点検
・築年数的にぼちぼち・・・
というのがほとんどです。
で、お客様はこう思われるそうです
「実際どうなの?」
「本当に塗り替えなくてはダメ?」
そういうわけで弊社に相談が寄せられます。
実際に見せていただき、状況をお伝えしていると・・・
いつもなぜか世間話になってしまい・・・(笑)
いつの間にやら
お客様の年齢や家族構成、今後のご予定など
お話を聞かせていただいてしまっています。
その中で、
「じゃあ、こうしよう!」と塗装工事に向けたプランも自然と決まっていくのです。
その結果、多くの方が翌年、もしくは3~5年後に施工をなさいます。
中には、「年齢も年齢だから元気なうちに!」と、
直ぐの工事を希望される方も勿論いらっしゃいます。
築年数だけで紋切り型に施工を当てはめるのではなく
建物や、その周囲の環境もそれぞれ・・・
お客様の考えもそれぞれ・・・
暮らしぶりもそれぞれ・・・
お互いが冷静に状況を確認し、話し合ってよりよい着地点を見つけられれば
お客様も 〇(マル)、私たちも 〇(マル)
それでよいと思うのです。
※工事までの経過観察期間は定期的に、
そしてお住まいに変化があった場合にもお伺いして状況を見せていただきます。
さて、次回は
K様邸の塗装工事についてお話しします。
色にこだわられた施工で、私たちも大いに学ばせていただきました。
それでは、次回に!