2020.03.28
前編に続いて、後編です
雨漏り調査の結果、漏れの原因と思われる箇所が浮かび上がって来ました。
雨漏りあるある・・・な箇所もあれば、
え?ソコですか!?・・・な箇所も。
ひとつひとつお話していきましょう
この侵入経路はここ
直ぐ上にあるルーフバルコニー内部にある、この水切り部分
本来は水が切れるように作られている水切り。
何故か勾配が建物内部に向かっており、
皮肉なことに雨水の浸入経路になってしまっていました。
原因は、水切り周辺、被りの浅い笠木、そして、サイディングの目地からの浸入
「ちょっと怪しい気もするので、工事期間中に瓦、捲ってもらえますか?」
そう指示を受け、捲ってみると、防水シートの被りが浅い。
おそらく、ここも原因のひとつ。
直ぐ下の、塗膜の捲れた部分から水がチョロチョロ出てきました
おそらく水切りから建物内部に入った水が、
サイディングの目地から外へ出ようとして塗膜内部に浸入したものと思われます
4)もう1件の雨漏り調査をしたお宅からはこのような原因が見つかりました。
雨漏りの原因は、
トップライト周囲の水切りとサイディングとの取り合い部分
勾配の急な屋根。
雨が降ると雨水(水色矢印)が急激に水切り部分に押し寄せ(白色矢印部分)、
オーバーフローした結果の雨漏りでした
このような結果を受けて、塗装工事と並行して対策工事も行います。
◎直張りサイディングの目地部分をシーリング(水色矢印)
特に日照が厳しく条件的に傷みやすい西面や、
屋根から突き出たトッライト側壁部分は念入りに
◎被りの浅かった大屋根笠木はガルバ鋼板で工事
まず①の鋼板で屋根の被りを確保
このままでは①の鋼板と壁の間から雨水が浸入してしまうので
②の鋼板を
それでも青い矢印の経路から雨水が浸入してしまいます
実はこの③の鋼板だけでは不十分。
上から見るとシーリングで保護されているものの
ビスがてっぺんに打たれています。
てっぺんにプツプツ突起が出ているのがビスです
実はここに工夫が
てっぺんにビスが打たれていると
そのビスから雨漏りすることも・・・。
なので、てっぺんにビスが出ないように貼っています
すると・・・・・
まだ雨漏りしていた・・・んです
足場を一部残して解体。
何故?徹底的に壁を捲って調査させて頂きました
やっぱり怪しいのはココ
水切りの部分です
ここも穴をあけさせてもらい調査
水がどのような経路で建物内に浸入するか観察
結果、水切りが水を切るという、
本来の役割を果たしていないため、
切れていない水が建物内部にそのまま浸入していることが判明。
なので、今回は水の抜け道確保のための金具を取り付け
再度散水検査をし、しばらく様子を見てからの
工事完了となりました。
お客様、長らくありがとうございました。
雨漏り調査、その後にも1軒依頼を受けました。
私達が関わるまでに何社か工務店を経て、防水工事や塗装工事を施工。
それでも止まらず弊社に問い合わせを頂いたのです。
さて、原因は何だったと思いますか?
それは、
バドミントンの羽根
色々あります。
雨漏り、奥が深い・・深すぎます。
メカニズムが分かってきて、興味深く思うときもあれば
何も知らなかった方が良かったような・・・
分かるからこその怖さというのも感じています。
以上、雨漏り調査を含めた塗装工事のご報告でした。
ながらくお付き合いくださいまして、ありがとうございました。
2020.03.05
さて、今回は雨漏りについてです。
塗替えでお問い合わせを頂いた建物の
半数近くが雨漏りの経歴がある建物。
中には新築から数年しか経たないのに、早くも雨漏り。
おかしいなと思いつつ、もう塗り替えの時期なのかと困惑され
外壁塗装のお問い合わせを受けたりすることも。
一般住宅にお住まいの多くの方々が
「塗り替えると雨漏りがとまる」とお考えのようなのですが
それは一時的に塗膜が雨水の浸入を食い止めただけで
根本的な解決には至っていないのです。
頻繁に雨漏りする場合、
雨漏り診断(※別途費用が必要になります)をお勧めしています。
雨漏り診断は弊社が行うものではなく、雨漏り調査の専門機関によるもの。
弊社の梶川も勉強会に参加し、困れば教えを請う、
雨漏りの師匠とも言える方が主催されている機関です。
今回はその雨漏り調査、対策工事を含めた外壁・屋根塗装工事の報告です。
塗装工事に先立って雨漏り調査をし、その結果を受けて
調査機関から指示を受け、対策工事を施工しました。
そもそも最初は外壁・屋根塗装でのお問い合わせでした。
依頼を受け、お伺い。
4軒連棟のテラスハウスで、そのうち3軒の方からの依頼でした。
建物を見せて頂くと・・・
臭う! この構造は確実に雨漏りしているはず!
「雨漏りしてるでしょう?」とお尋ねすると
「そうなんです」とのお返事。
建物を建てた建設業者さんに相談されたり色々試してみたが
雨漏りはとまっていないとお困りのようでした。
別途費用が発生する旨伝えたうえで雨漏り診断をお勧めしたところ、
3軒のうち、2軒の方が雨漏り診断を希望されました。
足場を組み、施工にかかる前に雨漏り調査を行います。
具体的な調査方法など、ここに写真を掲載することは出来ませんが
何をするのかというと、
「人工的に雨漏りを再現させることで
雨水の侵入経路を特定し、対策に結びつける 」 のです。
調査は1軒につき、一日かけて行われました。
後学のため、お手伝いを兼ねて一日ベッタリ見せて頂きました。
それは、地道な地道な作業で執念としか言いようの無いものでした。
私達が真似をしようにも、到底真似のできる内容ではありません。
頭の下がる思いでした。
調査の後、施主様へ報告書が提出され、説明がされました。
そして私達にも、具体的な指示が出されました。
指示に基づいて、施工を進めます。
雨漏りの原因となった箇所とともに、
今後雨漏りの懸念のある箇所も施工します。
長くなるので、今回はここまで。
施工の実際は次回に。
雨漏りのお問い合わせが年々増えています。
この場をお借りしてひとこと。
まだ築年数の浅い方や、
新築・中古物件を購入して間もない方は
まず、購入した不動産業者さん、
注文住宅の場合は、建物を建てた建設業者さんへ、ご相談を。